知って得する豆知識
年金の受給開始 繰り上げ? 繰り下げ? お得は?
2021年04月15日
年金受給開始 年金の繰り上げまたは繰り下げ
~人によって損する 得する~
公的年金を受け取り始める時期は「60歳から70歳」の間で選ぶことができます。
70歳を超えてからでも選べるように制度を見直そうとの動きもありますが、
それぞれメリット、デメリットもありますので、ご自身の状況を見て結論を出していきましょう。
- 今の制度では年金の受給開始は65歳が基本です
男性:昭和16年4月2日~昭和36年4月1日生
女性:昭和21年4月2日~昭和41年4月1日生
の老齢基礎年金(基礎年金:年金の1階部分=自営業、サラリーマン、専業主婦などが受給)は
65歳からの受給が原則です。
老齢厚生年金(厚生年金等:サラリーマン等が受給)は上記生まれの方は60歳から65歳まで段階的に支給されます。
この老齢基礎年金は65歳を待たずに60歳から受給することができます。
また逆に65歳に受け取らず70歳まで受給を遅らせることもできます。
- 老齢基礎年金の繰り上げ受給
老齢基礎年金は、原則として65歳から受給できますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰り上げで受給することができます。
しかし、繰り上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。
人生100年時代。長い間減額されることで損をする場合がありますのでご注意ください。
<詳しくは厚生労働省ホームページ>
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20150313.html
- 年金の繰り下げは100%お得とは限らない?
<65歳以降も働けるなら、繰り下げも選択肢>
年金は繰り下げると額が増える。5年繰り下げれば40%増える」こうした話は、メディアでも取り上げられています。
65歳以降も働けるのであれば、繰り下げも選択肢です。
「そんなに働きたくないよ~」という方は一部を受け取り、
一部を繰り下げる、という手もあります。
ただ、「長生きしなかったら損になるから、繰り下げしない」
と簡単に決めてしまうのもどうかと思われます。
人生100年時代は、年金を上手にもらうことが大切です。
<加給年金?~年の差婚をした夫婦は特に注意~>
確かに、年金の繰り下げで年金額が増えるのは魅力的です。ただ“誰にとってもトク“
とは限りません。
ポイントは「加給年金」です。
加給年金とは、年金の家族手当みたいなものです。
老齢厚生年金の受給が始まった時、扶養している配偶者や子がいるときに支給されるものです。
簡単に言うと、夫が年金生活になったら、妻自身に年金が出るまでの間、夫の年金を上乗せしましょう、というものです。
(加給年金には条件があります。詳しくは厚生労働省ホームページで)
年金の繰り下げをすると、加給年金が支給されず、損をしてしまう場合もありますので注意しましょう。
<加給年金~厚生労働省ホームページ~>
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html
社会保険労務士 監修